「無駄」という言葉の語源って何なんだろう、ふと思って調べてみました。

「駄」は馬に積んで運ぶ荷物のことで、荷物を運ばずに歩いている馬は「儲けにならない」、つまり「無駄」なんだそうです。なるほど。

これじゃなんだか、お金にならない物事には価値がないかのように感じてしまいますが、そもそも価値を可視化するために生まれたのがお金だと考えると、納得もできます。

でも、価値を生み出すかどうかもわからない「無駄なもの」に惹かれることだってたくさんあるはず。

「無駄」という言葉が生まれた時代よりもきっと、今の世の中は物質的にも豊かになっているはずで、だからこそ「お金以外の豊かさ」に意識が向く人が増えているような気がします。

そう考えると改めて、ただ「好き」に夢中になれることもまた豊かです。

このissue16はまたの名を「趣味号」と勝手に呼んでいたのですが、今回いろんな方のいろんな「好き」を垣間見ることができて、まだまだ自分の身近にも知らないことが溢れているなぁとしみじみ思いました。

とはいえ「趣味はなんですか？」と言われたときに、即答できる人ばかりではないですよね。

私自身も、「凝り性」とか「ハマりやすい」性質とは縁遠く、趣味を楽しむ友人たちを羨ましがってばかりです。

自分がハマるよりも、ハマっている物事について語る人の話を聞いている方が楽しいです。というか、それが趣味なのかもしれません。

文＝山越栞