2021.06.08

【COLUMN】ドン!

スナックミー

かけっこのときの「位置について、よーい…ドン!」のピストル音が、昔からものすごく苦手でした。あれにびっくりするせいで最高のパフォーマンスが発揮できてなかった説を唱えたいです。「予行練習のときはピストルじゃなかったのに…!」と思ったことのある元小学生は私だけでしょうか。

とはいえ最近はかけっこに参戦する機会もないので、今の「よーいドン」事情はどうなんだろう?と気になり、ちょっとした好奇心で調べてみました。すると、とんでもなく奥深い世界が広がっていたのです。

そもそもスタートの合図には様々な変遷があり(「ひい、ふう、みい!」で傘を地面に叩きつけるとか)、新しい合図が新聞で公募された結果、1928年3月4日に「位置について、用意」への決定が発表されたそう。

現在の国際大会などでは「On your marks, Set」という英語が主流になっているけれど、当時は開催地の言葉でOKだったという背景もあります。

それから気になったのが、1964年の東京五輪で「スターターの神様」と称された佐々木吉蔵氏の存在。彼を中心に、出場者が多い中でどうすれば公平にスタート合図が出せるかなどの議論がなされ、そんな神様が創設した「全国陸上競技スターター研究会」は今も存在しているそう。

さらに、肝心のスタート音ですが、最近の公式な大会では電子音が使われることが多くなっているようです。たしかにテレビ中継などを観ていると「ドン!」ではないな、と冷静になったのでした。

ならばスタートの合図自体も機械に代替されたかといえば、そう簡単にいくものではないようで。競技者の様子を見つつ的確に合図を出すには、スポーツマンシップの観点から考えても、やはり人間によるものが良しとされる場合も。

そんなこんなでつくづく、「公平にスタートを切る」ことの難しさを考えました。

となるとやっぱり、時間の経過はかなり公平なスタートの合図なのかもしれないですね。「わぁ!もう2021年!?」と結局びっくりはするけども。


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