2021.05.26

【COLUMN】消化試合

スナックミー

私にとって2020年は、本当の「未知」を突きつけられたような一年でした。

「知らない」を「知る」ってなんだか変な感じの表現ですが、つまり「分からない」ってどういうことなのかが分かったというか。あれ、書けば書くほど意味不明になっていくな。

実はちょうど去年の今ごろ、友だちと「私たち、来年のオリンピックのときは何してるだろうね」なんて話していたんです。まさかそのオリンピック自体が開催延期になるなんてつゆとも思わずに。

これをきっかけに、自分がこれまで考えていた「分からない未来」は、大体の道筋が想像できる上でのことだったのかもと気づきました。でも未来って、本当に何が起こるか分からないんですね。

それに、敵とされているウイルスがどんなものなのなのかも正体が掴めず、どこにいるのかも目に見えず、なにが正しいのかも、それこそ今後どうなるのかも分からない。

「みんな同じ」という、ただそれだけが救いでした。

振り返れば、社会がガラリと変わっていくことにいちいちびっくりしないよう、自分の感情がマイナスへ転びそうになったら、すかさず心をニュートラルに切り替える意識で過ごしていたように思います。

これって多分「やりすごす」に近いのですが、そこまで諦めモードになるのもなんだか違う気もしていて。

そこで、猛暑を切り抜けたころに思い浮かんだ便利な言葉が「消化試合」です。

もちろんどんな状況にあっても心は自由だし、いくらでも成長したり想像豊かに生きることはできるはずです。

でも、「今年はもう消化試合だからさ!」と定義したときの勝ち組感もなかなかのものでした。だって優勝が確定していないと消化試合ってできないですからね。良いお年を」とは手放しに言えない今日この頃ですが、2020年、本当にお疲れさまでした!

文=山越栞


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