「ここ、いつからですか?」記念すべき最初のお客様は、私と同年代のように見える、小柄な女のひとだった。「今日からなんです」さらりと言ってみたもののプレッシャーにならないかと不安になったけれど、「へぇ」と小さく微笑んだだけで、その人は棚に並ぶ焼き菓子に視線を移していった。
クッキーばかり食べている漫画家のおじさんと、女の子のお話