2021.05.17

DISCOVERY about the MOON(1/2)

スナックミー

地球から最も近い天体、月。古代から私たちは夜空に浮かぶこの美しい光の球体に想いを寄せ、やがて辿り着きたいと願い、文明の進歩によって叶ったあとも、飽くなき探究心をもって向かっていった。

しかしいまだ全貌は解明されぬまま、未知のベールに包まれている。

少しずつクリアになっていくその姿に、我々人類はこれから先、どんな夢をみるだろう。月について今分かっていることと、最新の研究について、国立天文台の荒木博志先生監修のもとにまとめました。

数々の挑戦のなかで紡がれてきた月の冒険・発見を知ると、今宵の空に浮かぶ月へのまなざしは、今までとは少し違ったものになるかもしれません。

国立天文台 RISE月惑星探査プロジェクト助教。月周回衛星「かぐや」レーザ高度計(LALT)主任研究者。
月・惑星の内部構造を地形、回転、潮汐変形など測地学的観測データをもとに検討し、月惑星の起源進化を解明することを目指している。2007年に打ち上げられた「かぐや」月探査(JAXA)では、レーザ高度(LALT)のPIとして機器開発から月面地形データ解析まで実施し、月の地殻は考えられていた以上に硬いことを明らかにした。


月の基本DATA

まずは、長年の研究によって明らかになった月の性質や基本情報をみてみよう。

地球から最も近い天体といっても、その性質は大きく異なる。いまだ解明できていない点も多いのが実情だが、分かっていることだけを並べてみても、地球上の我々からすれば、ロマンを掻き立てられる部分も少ないはず。

さて、あなたは夜空の見慣れた存在である月のこと、どこまで知っていますか?

月の誕生「ジャイアント・インパクト説」

地球が生まれたのが今から約46億年前ならば、月の誕生はその約1億年後とされている。諸説ある中で最も有力なのが「ジャイアント・インパクト説」

月へのキョリは地球の直径30個分

地球から月までのキョリは約38万4000km。気の遠くなる数字だが、宇宙規模で考えるとかなり近い。

月の重力は地球の6分の1

地球よりも重力が小さいので、軽くジャンプしただけでより高くまで届きゆっくりと降りてきたり、投げたボールが地球より遠く飛んだりする。

月には大気がない

つまり私たちが呼吸できる空気(大気)が月にはない。そんな真空状態の月では、音が聞こえない・昼夜の温度差が大きい・物体の重さに関わらず落下スピードが同じなどの特徴がある。

遠ざかりつつある月

実は、月は地球の周りを回りながら、1年に約3.8cmずつ遠ざかっている。これは、地球と月の間に働く潮汐力(ちょうせきりょく)によるもの。潮汐力は地球の自転速度に影響するため、約50億年後には1日48時間になると言われている。

月を観察してみよう

肉眼で月を見上げるだけでも、普段の満ち欠けや月食、スーパームーンなどを楽しむことができるが、一歩踏み出して双眼鏡を使ってみると、よりワクワクしたものに。

倍率が7倍ほどあれば、双眼鏡でもしっかりと月のクレーターをとらえることができる。

クレーターは、満月の時よりも少し欠けている月のほうが見えやすい。欠けていて陰になっている部分のそばに注目してみよう。

月のクレーター

大気の抵抗がない月では、地球のように隕石が燃え尽きることがない。そのため、隕石が落ちた形跡としてクレーターが多く存在する。

その数は、2016年までの約7年間で200個以上にもおよぶほど。

文=3PMmm…編集部

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