
シンプルでミニマルな生活に憧れはするものの、お買い物もやっぱり楽しくて、ついつい部屋の中にモノが増えてしまいます。
どうしてかなと考えてみたら「買って、生活にモノを加える」って、すごく簡単にできる自発的な変化だからかもしれないな、と思いました。
たとえば新しい服を着て、新しいコスメでメイクして、新しいイヤホンをつけてお出かけするだけで、自分までちょっとだけ新しく生まれ変わった気分になったりします。
もしかしたらこれは、「今の自分に満足できていないから何かを変えたい」と願う気持ちの現れなのかも。
だけど、表層的でわかりやすい変化ばっかりじゃなく、人知れず内面的に変化するのもいいよね、と改めて思えたのが、今年の大収穫でした。
イメージとしては、上へ上へと伸びて鮮やかな花をみんなに見てもらえなくても、冬の間に人知れず下へ下へと「深く」根を伸ばしていく草木みたいなかんじ。
実は今回のissue15は、「お家時間を豊かに」という裏テーマのもとに作成した企画の第2弾です。
第1弾は春頃にお届けしたissue09で、そのときはどちらかというと「モノ」を充実させることをメインで扱いました。
そこで今回は編集部みんなで話し合い、「形のない充実」にフォーカスしています。
映像や音声コンテンツ、音楽、写真など、インターネットであらゆる「形のないもの」を楽しめる今は、物理的に触れることができなくても、楽しさを享受できる。
そして、形がないから、増えても置き場所に困らないんです(!)
あれ、コンテンツを摂取して、知識や感情が自分の中に蓄えられるこの感覚は…?
なんだか「食べる」ことにも似ているなぁと考えてしまった食いしん坊なのでした。
文=山越栞
