2021.02.19

【オヤツヲタベツツ】珈琲と季節菓子 nagi 羽田 裕明さん

スナックミー

ゲストといっしょにおやつを囲んでフリートークを楽しむ企画。

おやつに関係ある話も、全く関係ない話も飛び交います。

おやつを食べているときって、そんなものなんじゃないだろうか。

-今回は「好きが高じて行動した人」として羽田さんにお話を伺いたいなと思い、インタビューを依頼させていただきました。よろしくお願いします!

お声がけありがとうございます。趣味は昔から多い方なのと、比較的ハマりやすい体質ではあるので何でも聞いてください!

-では早速なのですが、向島に移住されたきっかけは何だったんでしょうか?

元々は東京で新卒から広告代理店に勤めていて、仕事も楽しく打ち込んでいたのですが、今の妻(当時の彼女)と旅行でこの島を訪れたときに「ここで暮らしたい」と言われたのがはじまりでした。そのときに「いいかも」って。

仕事で日本各地の自然豊かな場所を取材することが多く、そこにいる方々がみなさん生き生きしていて、素敵だなとも思っていたんです。それに、東京にずっと住んできて、自分にとってはもうここにいる意味はそんなにないなと。

20代は東京の最新トレンドを享受していたけど、30代になって、そういうものを求めなくなったんですよね。取材の仕事をきっかけに、アウトドアが好きになったのも大きかったです。

-お店をやることは、最初からイメージしていたんですか?

実は、お店をやること自体は新卒採用の面接を受けている頃から話していたんです。「僕は30代でお店を始めるので会社を辞めますが、それまでがむしゃらに働きます!」って(笑)。

だから、新卒から約11年働いた会社に辞めることを伝えたときも、「前から言ってたもんね!」と送り出してもらいました。

-そんなに前からご自身の人生プランを立てていたなんてすごいです……!でも、どうして「お店」だったんですか?

自分が60歳過ぎまでサラリーマンをやるイメージが、大学生のころから描けなかったんです。最初にも少しお話ししたのですが、僕は昔から好きなものが多くって。音楽とかインテリアとか絵とか……

そういう自分の好きなものをかき集めた箱としてお店を作り、来てくれた人たちと話す時間ってすごく幸せだろうなと思ったんです。大学時代に珈琲店でアルバイトもしていましたしね。

-なるほど。お話を伺っていると改めて、羽田さんの趣味の幅広さを感じます。

自分でも思うのは、割と何にでもハマれるタイプなんです。嫌なところよりも、楽しいところを見出すのが好きなので、学生時代の勉強とか、仕事の雑務とかにもゲーム性を持たせて取り組むようにしていました。

-たしかに、夢中になれることが見つからない場合は、まず目の前のことを楽しむ工夫から始めるとよさそうですね!

そう思います。実は僕、前職の会社にはクリエイティブ志望で入ったんですけど、蓋を開けてみたらリスティング広告のコンサルをする部署に配属されたんですよ。それまでロジカルシンキングなんてしたことなかったのに、急に数字と向き合ってばかりの職種になって……。

でも、半ば強制的にやってみたら結構楽しくて、希望通りの職種に配属されていたら身に付かなかったスキルを学べたんです。

他の世界を知らない中で「これをやりたい!」と主張するよりも、視野を広げざるを得ない環境を経て、それでも前からやりたいと言っていたことを選んだ方が自分に納得感があるし、周りに対しても説得力あるなって。

-自分で自由に選んだことだけが「好きなこと」とも限らないですもんね。意外とそれって盲点かも?

うんうん。上司に「いつか全部が線でつながるから」とよく言われましたが、本当にそうでしたね。

-そんな学びの多い東京での会社員生活を経て、今の羽田さんは満を持して「好き」に囲まれているように見えます。今は、どんな日々を送っているんでしょう?

お店の「nagi」を週3日営業していて、それ以外は前職からの延長線上のような仕事をフリーランスとして請けています。WEBマーケティング、編集とライティング、撮影、ウェブデザインなどなどですね。

-引っ張りだこですね!羽田さんご自身のお休みの日ってあるんですか……?

実質の休日はないですが、逆に言うとリラックスして日々過ごしているので、今は休日の中に仕事が挟まっているくらいの気持ちかもしれないです。家の目の前が海なので、「綺麗だなぁ」と思ったら海に行って、日中の気持ちいいときは昼寝して、その分夜に作業を頑張ったり。もちろんクライアントワークはきちっとやりますけどね。

-なんと素敵な!!そんな羽田さんが今いちばん熱量が高い趣味があったら知りたいです!

最近特に、お店づくりがきっかけで熱を帯びるようになったのが「うつわ」ですね。もともと何かを自分の手で生み出せる人をすごく尊敬しているのと、物質的なモノが好きというのも相まって、今うつわにすごい熱量を注いでいます。

暇さえあればインスタで素敵なうつわ作家さんを探していますし、ギャラリーを眺めたりするのがとても好きです。釉薬や焼き方なども勉強していて、これから作家の工房・窯にも足を運ぼうとしているところだったりします。

-まさに、仕事と趣味が溶け合っている生活ですね。大人になると、無条件に好きな物事ばっかりじゃなく「これってやる意味あるのかな」とか頭で考えすぎてしまうこともあるかもしれないけど、理屈っぽくならずに、まずは惹かれたものをやってみるのって大事ですよね。

そういうところから自分のやりたいことが見えてきたりするし。

そうそう、27歳のときに、尊敬している企業の社長に「学校って何のためにあると思う?」と聞かれたことがあったんですが、そのときに話してもらったことを今でも大事にしていて。

-どんなお話だったんですか?

学校生活って、色々ドラマがあるけど、要は社会に出たときのための「予行練習」なんだ、って言われたんです。その考えだと、当時の僕は社会に出てからのキャリアを学校生活に置き換えたら、まだまだ小学生。

「小学生のときに君はそんなに理屈めいてたこと考えてなかったでしょ?だからやりたいことをとにかくやればいいんだよ」って。

それでいくと34歳の今はやっと中学生で、「部活楽しいなー!」くらい(笑)。まだまだ、目の前のことに夢中になっていればいい段階なんじゃないかなと思っています。人生100年時代って言いますしね!

-羽田さんの今後のご活動がもっともっと楽しみです!

仮に100年ある人生だとしたら、全部同じことしててもつまらないから、ざっくり30年おきに区切っていくのもいいかなと思っているんです。

最初の一区切りが終わって、今は会社員生活をリセットして島ライフを楽しんでいるので、次は北海道とかニュージーランドとかに住んで、これも趣味のひとつである登山をたくさんするのもいいな、なんて。


-profile-
羽田 裕明
東京で広告代理店の仕事をしたのち、2018年10月に広島県尾道市の向島に移住。珈琲と季節菓子の店「nagi」を営みながら、フリーランスでWEBマーケティングのディレクターや編集、デザインなども請け負っている。

珈琲と季節菓子 nagi
https://www.instagram.com/nagi.mukaishima/

取材・文=山越栞

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