
ゲストといっしょにおやつを囲んでフリートークを楽しむ企画。
おやつに関係ある話も、全く関係ない話も飛び交います。
おやつを食べているときって、そんなものなんじゃないだろうか。
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-今回は昨年スナックミーのシュトーレンをつくってくださった、くにおかチョコレートさんにお話を伺います!まず、どんなきっかけでチョコレート屋さんを始めたのでしょうか?
主人がチョコレート好きだったから、というだけなんです。チョコレート屋の前に、11年前から千葉県市原市の里山で和食屋を始めて、その4年後に隣で「くにおかチョコレート」をスタートしました。
-もともと千葉県の里山でお店をしようと思っていたのでしょうか。
いえ、もともとは田舎で子育てがしたいなと思って、何も考えずに千葉の里山へ引っ越してきたんですよ(笑)。
当初は普通に雇われの仕事をしていて、お店をやることも全く考えていなかったんです。でも、子どもが増えるたびに外へ働きに出るのが大変になってしまって。飲食店なら、仕事をしながら子どもにごはんも食べさせられるなと思ったんです。でも今は仕事が楽しくてたのしくて。チョコレートもまるで我が子のように愛おしく思いながら作っています。
-くにおかチョコレートさんとスナックミーはカカオ原料を取り扱っているスタートアップ「Whosecacao(フーズカカオ)」さんからのご紹介でのご縁でしたね。シュトーレンもおかげさまで大好評でした!
これまでは自分たちで細々とやってきたのですが、今回のようなコラボは初めてだったので、シュトーレンも試行錯誤でした。次はさらにいいものをお届けできるはずだと思っています。
-楽しみです!くにおかチョコレートさんは、社内のメンバーやユーザーさんが今まで欲しかったものを作ってくださるように感じていて。チョコレートからもホームページからも、ものづくりに対する丁寧な姿勢を感じます。
ありがとうございます。わたしたちは素材となるカカオの個性を生かしたチョコレートづくりにこだわっているので、機械に頼りすぎずに手間暇をかけるようにしています。チョコレートづくりの主流である機械製法だと、どれも同じような味になってしまうんですよね。

チョコレートが本来持っている香りをそのまま残すには、製造過程で酸化させすぎないことが大事なので、常に作り方を模索しながらやってきました。
参考文献を頼りにすべて自分たちでゼロからチョコレートづくりを考えてきたので、業界の方からするとびっくりするようなことをやっているかもしれません。
なかでも板チョコレートは手作りを極めたいと思い、カカオの殻向きは未だにすべて手作業でやっているんですよ。
-手作業…!
一般的には、まず機械で身と殻を割るのですが、それだと、身と殻が割れた時点で香りが放出されてしまうんです。だから手作業で割らずに丸ごと殻をむく。とにかく香りを閉じ込めて作っていくんです。これに一番手間がかかっています。
-なるほど。そんな真摯さや謙虚さがチョコレートの味わいにに表れているんですね。

そうだと嬉しいです。和食のお店ではすべて地元の食材だけで提供しているのですが、「恵みを受け止め、食材と向き合う」という生き方が私たちのベースにあるんです。それはチョコレート作りとも共通しているかもしれませんね。
食べることは、ありがたいこと。実はその思いは「くにおかチョコレート」のロゴのデザインにも込めています。今はお金を出せば何でも買える時代だけど、そういう傲慢な考え方は、もう古いと思っていて。食べ物を搾取するのではなく、感謝しよう、という気持ちを忘れずにいたいものですね。
-ここまでお話を伺って改めて、大切な気持ちで食べたいチョコレートだなと思いました。
ぜひ素直な心で味わってください。ブランドであることや、少ししか作られていない希少品だから、などのいわゆる固定観念を捨てて、ただ食べてほしいです。日本人はブランドかどうかで判断しがちですが、そうではないところで心に響いてほしいなと思っています。
-profile-
くにおかチョコレート
千葉県市原市の里山で手間暇を惜しまないチョコレート作りをご夫婦で営む。snaq.meでは2020年のクリスマスおやつであるシュトーレンの制作を担当。今回は奥さまの國岡妙子さんにご登場いただきました。くにおかチョコレートHP
https://kuniokachoco.com
https://www.instagram.com/kunioka_chocolate/
取材・編集=山越栞 文=ひらいめぐみ
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