
真っ赤なお鼻の トナカイさんは
いつもみんなの わらいもの
でもその年の クリスマスの日
サンタのおじさんは いいました
暗い夜道は ぴかぴかの
おまえの鼻が 役に立つのさ
いつも泣いてた トナカイさんは
今宵こそはと よろこびました
クリスマスの時期になると、そこかしこで耳にする「赤鼻のトナカイ」の歌。
幼い頃はなんとはなしに口ずさんでいたけれど、大人になった今、ふとこの歌詞を思うと、短い中に込められた真理のようなものに気付かされます。
誰しもコンプレックスに心を病むことはきっとあって、悪意なき周囲の反応(笑われるとかからかわれることがたとえ親しみを込めたものだとしても)に涙をこぼした人もいるでしょう。
だけど同じように、そんな悲しみから救ってくれるのも、誰かがかけてくれるなんてことない言葉だったりします。
それから、私たちは「誰かの役に立っている」と思えた瞬間に強く優しくなれるようにできている。これってすごいことだなぁとも。
自分にとってはなんてことないかもしれないけれど「あなたのおかげで」は、いつでも惜しみなく伝えていきたいものですね。
文=山越栞