2021.04.16

神秘の発酵、誠実な腐敗(1/2)

スナックミー

発酵と腐敗。どちらも、食品の持つたんぱく質や糖などが微生物に分解され、別の物に変化した状態を指すが、境界線になるのは、我々人間にとって「有益」か「有害」かの違い。

無数の微生物によって生み出される発酵食品は、国や地域によってさまざまだ。

その地に根付いている菌と文化が、発酵食品を個性豊かなものにしている。古来から育まれてきたそれらは、我々の健康を強く支えてきた存在でもある。

一方、有害な変化である腐敗は、ものがやがて土に還るための過程でもある。しかし進歩した現代の技術は、それらを阻止することも可能にした。

だからこそ、腐敗“できる”というのは食品そのものの純度を物語ってもいる。

似て非なる発酵と腐敗。ミクロの世界で繰り広げられるドラマを少し覗きに行こう。


免疫力と発酵食品

各地で古くから自然発生的に発酵食品が作られてきた理由は、発酵が食品の保存性を高める力があることが大きい。

加えて、発酵食品は免疫力アップにも頼もしい効果を発揮する。

キーワードとなるのは、腸内環境の整備。

腸には、人間の体内に宿る免疫細胞の約6割が集まっているため、腸内環境と免疫力は切っても切れない関係にある。

発酵食品に多く含まれている善玉菌は、病原体の侵入を防ぐ免疫細胞を腸内で活性化させる働きがある。

結果として、積極的に発酵食品を摂ることが、腸内環境を整え、免疫力を高めて病気を予防することに繋がるとも言える。

発酵の立役者たち

発酵のもととなる微生物(菌類)はさまざま。その地域にしかいない「土着(どちゃく)」の菌も無数に存在し、研究者たちを虜にし続けている。ここでは、その中から代表的な「発酵の立役者たち」をご紹介。

麹菌
血行促進や代謝アップの効果が期待される。米、麦、大豆など日本の田畑で育つ穀物について発酵する、日本の菌。

乳酸菌
腸の免疫力を高める効果があると言われる。肌荒れや便秘の原因となる悪玉菌の増殖を抑える効果がある。

酵母菌
糖やアルコールをガスに分解する作用があり、カロリーの吸収を抑える効果もあると言われている。腸内で善玉菌として働き、悪玉菌を抑制。

酢酸菌
クエン酸を豊富に含み、腸内バランスの調整や便秘解消だけでなく、食欲を増進したり、血液をサラサラにする効果も。

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