なんだか違いがはっきりわからないお菓子の代表格、フィナンシェとマドレーヌ。
四角いのがフィナンシェで、丸いのがマドレーヌって覚えてたのに、
四角いこれがマドレーヌなの⁉なんてことも。
ということで今回は、フィナンシェとマドレーヌの違いについてご紹介していきます。
違い1:基本のカタチ
まずぱっと見てわかりやすい形についてです。
フィナンシェは金塊型(なぜかは後程詳しく説明します!)、
マドレーヌは貝殻型が基本です。
ただ例外も多く、丸いフィナンシェも四角いマドレーヌもたくさんあります。
カタチだけでは決まらないとすれば、何がこの2つを分けているのでしょうか?
違い2:原材料
フィナンシェとマドレーヌで決定的に違うのは、原材料です。
フィナンシェの材料は、小麦粉、アーモンドパウダー、卵白、ブール・ノワゼット(焦がしバター)、砂糖です。アーモンドパウダーを小麦粉と同量もしくはそれより多く入れて作ります。
一方マドレーヌの原材料は、小麦粉、卵、バター、砂糖、ベーキングパウダーです。(アーモンドパウダーはお好みで)
フィナンシェは卵白・焦がしバターを使い、マドレーヌは全卵・溶かしバターを使います。
このような原材料の違いから、
フィナンシェはサクサクとしていて、アーモンドの甘さと焦がしバターの香ばしさがあり、
マドレーヌはしっとりとしていて、バターの甘い香りを楽しめる
という味の違いが生まれるんですね!
似ていて少し違うフィナンシェとマドレーヌですが、どちらのお菓子もとても面白い由来があるんです。
フィナンシェ=お金持ち⁉
フィナンシェ(financier)という言葉は、フランス語で「金融資本家、お金持ち」という意味を持ちます。
フィナンシェの元となるお菓子は、17世紀頃フランス北部のロルドル・デ・ヴィジタンディン(L’ordre des Visitandines)という修道会の修道女によって作られたため、「ヴィジタンディン」と呼ばれていました。
このお菓子とお金がどう結びつくのか、不思議ですよね。
諸説ありますが、一番面白い説についてみていきましょう。
「フィナンシェ」が生まれたのは、19世紀、パリ2区の金融街サン=ドゥニ通り。
この通りにお菓子屋がありました。
店主の「ラヌ」が、周辺で働く忙しい金融家たちのため、すばやく食べても、背広を汚さないようなお菓子を考案しました。
それが「フィナンシェ」です。
後にこのお菓子が一目見てわかるように、金塊をモチーフにした長方形の薄い型で焼かれるようになります。
こうして現在のフィナンシェが生まれたんです!
美味しすぎて門外不出だったマドレーヌ
マドレーヌの由来にも諸説あります。
一番有力なのは、元ポーランドでフランス西部のロレーヌ公国を治めていたスタニスラス・レクチンスキー公にまつわるもの。
18世紀中頃、レクチンスキー公はロレーヌのコメルシーというところでパーティーを開きました。
ところがパーティーの当日に、宮廷のお菓子職人がやめてしまうというアクシデントが発生します。
そこにやってきたのが若い召使の女性でした。
彼女がありあわせの材料で作ったお菓子はパーティーで大好評。事なきを得たそうです。
そしてこのお菓子は、彼女の名前から「マドレーヌ」と名付けられます。
このマドレーヌのレシピは、美味しすぎて長い間なんと宮廷外秘とされていました。
しかし、コメルシーに住むお菓子屋が、大金と引き換えにレシピを入手します。
おかげでマドレーヌはコメルシーの名物となり、そしてフランス中に広まったといいます。
即興で作られたものが、ここまで広まるなんて!
「マドレーヌ」さんもさぞかし驚いていることでしょう。
いかがでしたか?
今までカタチでしか判断していなかったフィナンシェとマドレーヌの違いがよく分かったのではないでしょうか。
一緒に食べて、味比べをしてみるのも面白いかもしれませんね。
原材料の違いからくる味の特徴を、是非感じてみてください!
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