日本では卵、牛乳、砂糖を混ぜて加熱したスイーツといえばプリンです。
スペインや南米ではこのスイーツのことを「フラン」といいます。
スペイン語だから?と感じられるほどのわずかな違いですが、そう簡単な話ではないんです。
プリンの由来
プリンは、英語でプディング(pudding)といい、この音が変化してプリンになったといわれています。
プディング(pudding)は古英語で詰め物という意味を持ちます。
そのため、16世紀の書籍にプディングとして紹介されているものは全てソーセージのような腸に詰め物をした食べ物でした。
そしてプディングは、詰め物という意味から、次第に蒸したり煮たりして固めた料理全般のことを指すようになります。そして甘いものから塩辛いものまで様々なプディングが誕生しました。この中の1つに、日本でプリンといわれるカスタードプディングがあるのです。
現在のイギリスには、カスタードプディングの他にも、血を加えたソーセージであるブラックプディングや、小麦粉、ドライフルーツ、ナッツ、香辛料を合わせた伝統的なクリスマスケーキであるクリスマスプディングなど多くのプディングがあります。
加えて、デザート全体を表す言葉としてもプディングが使われています。
フランとは
フラン(flan)は、卵、牛乳、砂糖、バニラで作られるプリンとほぼ同じようなお菓子です。
フランの起源は紀元前のローマ帝国にまでさかのぼります。(ちなみにローマ人は世界で初めて卵を収穫する目的でニワトリを家畜化していたといわれています。)
古代ローマ人は卵と牛乳を混ぜるギリシャのレシピを真似て、卵、牛乳、蜂蜜を火にかけたチロパチナン(Tyropatinam)という料理を作りました。
唐辛子を振りかけた辛みのあるチロパチナンは、ラテン語の詩人紀元前6世紀ころに活躍したフォルトゥナートの作品(紀元前530〜609年)にすでに登場していました。
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