時間や場所を超えて、みんなから愛されるお菓子。
そんなお菓子に自分の名前がついたら、素敵ではありませんか?
マドレーヌ
ふんわりしっとりとした食感の「マドレーヌ」。
一説によると作り手の女性の名前が由来になっています。
18世紀中頃、ある君主がパーティを開きました。
しかしその当日に宮廷のお菓子職人が出て行ってしまいました。
そこで代わりにお菓子を作ったのが、召使のマドレーヌ・ポルミエという女性。
ありあわせで作った焼き菓子が大好評となり、マドレーヌとして伝わったというのです。
シブースト
パイ生地に果物、クレームシブーストを重ね、表面をカラメリゼしたケーキ「シブースト」。
使われているクレームシブーストとは、カスタードクリーム、ゼラチン、イタリアンメレンゲを合わせたものです。
パリの菓子職人シブーストが開発したこのお菓子とクリームには、彼の名前がそのままつくことになりました。
ちなみにこの菓子職人シブーストは、シュー生地を使ったフランス菓子「サントノーレ」の生みの親でもあります。
ちなみにこちらのサントノーレは、彼のケーキ屋さんがあったサントノーレ通りが由来だそうです。
ドボシュトルタ
ハンガリーを代表するケーキとして、政府にも認められている「ドボシュトルタ」。
6層のスポンジとバタークリームを重ね、一番上のスポンジをカラメルでコーティングしたケーキです。
ドボシュ・C・ヨージェフという料理研究家が開発したこのケーキ。
あまりにも美味しかったので、多くのパティシエがこのケーキのマネをしました。しかも、作り方が難しいため質の悪いものばかりが出回ってしまいます。
この時代に心を痛めたドボシュは、レシピを公開することにしました。
そして彼の名がついたドボシュトルタはハンガリーを代表するケーキにまでなったのです。
ヴィクトリアケーキ
お菓子に名前がつくのは作り手だけではありません。
「ヴィクトリアケーキ」はイギリスで親しまれているケーキで、スポンジにいちごジャムを挟むのが基本です。
19世紀にイギリスを治めたビクトリア女王がその名前の由来です。
もちろん女王がこのケーキを作ったわけではありません。
彼女がアフターヌーンティーの時に好んで食べていたスポンジケーキが、ヴィクトリアケーキと呼ばれるようになったのです。
作り手ではなく、食べていた人の名前が付いたんですね!
お菓子と一緒に、作った人・食べていた人のことまで思いをはせることもできるような気がしませんか?
ある人が美味しいと思ったものが、他の人に受け入れられてどんどん広がっていく。
そんな奇跡がこれからももっともっと起こりますように。
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