2019.11.27

平成スイーツ史を振り返る #スナックミー

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平成は、「スイーツ」の時代でした。

その歴史に種をまいたのが、1988年、昭和の終わりごろに生まれた雑誌『Hanako』。

当時は「Hanako族」という言葉が流行語大賞を受賞するほどの人気を誇っていました。

「スイーツ」は、そんな『Hanako』によって使われ始めた言葉。まさに平成から日本のスイーツ史が始まったのです。

時代は令和。

去っていった平成に思いをはせながら、平成に生まれ、令和へと続いていく日本のスイーツの歴史を振り返ってみましょう。

平成2年(1990年) ティラミス

平成で最初にブームを巻き起こしたのは、ティラミスでした。

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イタめしブームの真っただ中。「Hanako」平成2年4月12日号では8Pにもわたってティラミスの大特集を掲載しました。

ブームを経て、今ではスイーツの大定番になりました。

平成4年1992年) 第一次タピオカブーム

タピオカが日本に登場したのは平成4年でした。

エスニック料理ブームをうけ、タイ料理のデザートに出てきたタピオカココナッツミルクが人気になります。ココナッツミルクに白いタピオカを入れたもので、スプーンで食べられていました。

平成5年(1993年) ナタデココ

フィリピン発祥で、ココナッツミルクにナタ菌を加えて、発酵させて作られるナタデココ

ファミリーレストランのデニーズが、ナタデココを使ったデザートを販売し、ブームの火付け役となりました。

コリコリとした特徴的な食感と低カロリーさがうけ、特に健康志向の女性たちから熱い支持を受けていました。

ブーム時のような熱狂はありませんが、今でもヨーグルトやゼリーに入れるなど、確実に生き残っています。

平成6年(1994年) パンナコッタ

平成4年にサントリーが業務用粉末「即席パンナコッタ」を販売、平成5年にデニーズがメニュー化、森永乳業がカップ入りの量産品を販売し、平成6年頃にブームとなりました。

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パンナコッタは、生クリーム、牛乳、砂糖、ゼラチンとシンプルで揃えやすい原材料から作ることができるので、多くのレストランや喫茶店に広まっていきました。

平成9年(1997年) ベルギーワッフル

ブームの火付け役となったのは、ベルギーワッフルの専門店マネケンです。実はマネケン自体は昭和61年(1986年)にすでに大阪梅田にオープンしていました。

創業者の荒木勲は、ベルギーと日本の文化交流に貢献したとして、1998年(平成10年)に「ベルギー王国王冠勲章シェバリエ章」を受勲しました。当時のベルギー領事から『本国のワッフルよりおいしい』と評価されたとか。

今でもマネケンの店舗には行列ができています。

平成11年(1999年) シナモンロール

アメリカのシアトルで誕生したシナモンロール専門店シナボンが日本に上陸し、ブームになりました。

シナボンは2009年に一度日本から撤退しましたが、2012年に再上陸し、六本木や吉祥寺、東京駅などに店舗があります。

平成13年(2001年) クレームブリュレ

平成3年に『Hanako』で特集されていたクレームブリュレですが、フランス映画「アメリ」の公開と共に世界中でブームになりました。

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原宿に平成7年にオープンしたレストラン、AUX BACCHANALESでは、今でもクレームブリュレを「クレームアメリ」として販売しています。

平成14年(2002年) ロールケーキ

昭和では、ロールケーキといえば、スポンジにクリームやジャムを薄く渦巻き状に巻いた菓子パンでした。

そのイメージを覆したのが、KIHACHIです。苺、バナナ、キウイ、パパイヤ、マンゴーの5種類のフルーツをクリームと共にしっとりふんわり仕上げた生地でロールした「キハチトライフルロール」がロールケーキのスイーツとしての地位を確立しました。

平成14年にはロールケーキ専門店自由が丘ロール屋がオープンし、その人気は確固たるものになりました。

平成15年(2003年) メロンパン

海老名サービスエリアにあるベーカリーぽるとがるの人気メニューだったメロンパンだけのコーナーが平成15年にオープンしました。

サービスエリアでしか買えないメロンパンに、多くの人が行列を作りました。

平成30年には、48時間で27,503個ものメロンパンを販売し、48時間以内で最も多く売れた焼きたて菓子パンの数のギネス記録に認定されました。

平成17年(2005年) マカロン

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平成16年から徐々に人気を集めていたマカロンですが、平成17年のピエール・エルメ・パリ・青山のオープンをうけ、このころに大きなブームとなりました。

カラフルな見た目とサクッとした食感から今も多くの人に愛されています。

平成18年(2006年) ドーナツ

新宿サザンテラスにクリスピークリーム・ドーナツの日本1号店がオープンしました。生地を砂糖でコーティングしているところを実演販売していたグレーズドドーナツは大ブームとなり、2時間以上の行列ができました。

クリスピークリームドーナツの日本1号店は閉店してしまいましたが、現在でも国内に48店舗展開しています。

平成19年(2007年) 生キャラメル

平成18年にノースプレインファームの札幌直営店で販売され、生産が追いつかないほどの人気になりました。

平成19年にはタレントの田中義剛さんの花畑牧場が生キャラメルの販売を開始し、全国的なブームになりました。

平成20年(2008年) 第二次タピオカブーム

平成4年の第一次ブーム時は、タピオカココナッツミルクとしてスプーンで食べることが一般的でした。

平成20年には台湾からタピオカミルクティーブランドが上陸し、黒くて大きいタピオカを太いストローで吸うスタイルが流行しました。

平成21年(2009年) コンビニスイーツ

ローソンから北海道産の生乳から作られるすっきりとした純生クリームがたっぷりつまったスプーンで食べるロールケーキ「プレミアムロールケーキ」が販売開始され、約19ヶ月で累計販売個数が1億個を突破する大ヒットを記録しました。

コンビニスイーツがより高品質なものに進化していくきっかけになりました。

平成24年(2012年) パンケーキ

平成20年にオーストラリア発のビルズが鎌倉・七里ヶ浜、平成22年にハワイ発のエッグスンシングスが原宿にオープンし、パンケーキの人気店が日本に上陸しました。

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スイーツ系、食事系、スフレ系など様々なタイプのパンケーキが定着し、家庭的な印象のあるホットケーキからパンケーキという言葉が広まっていきました。

平成26年(2014年) カップケーキ

アメリカの映画「プラダを着た悪魔」やドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」などに登場して話題になっていたニューヨーク発のカップケーキ専門店マグノリアベーカリーが表参道に上陸しました。

パステルカラーのバタークリームがかわいらしいカップケーキは、女性の間でブームになりました。

平成28年(2016年) ビーントゥバーチョコレート

ビーントゥバーチョコレートは、チョコレートの原料であるカカオ豆(bean)を加工して板チョコ(bar)を作り、販売するまでの全工程を1つの場所で行うクラフトチョコレートです。

2016年になると様々なブランドからビーントゥバーチョコレートが販売されました。

平成30年(2018年) 第三次タピオカブーム

第二次ブームから4年、タピオカミルクティーのブームが再燃しています。

平成25年に日本に上陸した台湾発タピオカミルクティー発祥の春水堂や、CoCo都可、THE ALLEY、Chatime、Gong chaなど台湾のブランドが続々と日本展開を始めました。

InstagramをはじめとするSNS映えする見た目が、その人気を後押ししています。

そして令和へ

平成では多くのスイーツがブームになりました。そのまま定着したものもあれば、少し勢いがなくなってしまったものまで、様々でした。

令和では、一度流行したスイーツの再燃か、はたまた全く新しいスイーツが登場するのか?

これから刻まれる令和のスイーツ史が今から楽しみでなりません。


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