大人のみなさんには懐かしい駄菓子屋さん。特に都会では、今はあまり目にしなくなったかもしれません。今回はその駄菓子屋さんについて、少し振り返ってみましょう。
そもそも駄菓子屋さんって?
駄菓子とは、「和菓子や贈答用の高級なお菓子に対する、子ども向けの安価なお菓子」のことを指します。元は江戸時代に、庶民の間食として食べられていた、白砂糖を使わないお菓子のことを指していたそうです。
駄菓子といえば、あたりくじや10円くじがついているものもありますよね。あたりが出るかもしれないというワクワク感を味わった思い出のある人も、多いのではないでしょうか。
また、食品を扱うお店なのに、昔ながらのゲーム台などが置いてあったことも大きな特徴です。駄菓子屋さんは、ゲームセンターの役割も果たしていたと言ってもいいかもしれません。
駄菓子屋さんの発祥
そんな駄菓子屋さんの発祥は、結論から言ってしまえば、古くからあることはわかっているが、はっきりしていないという答えになります。
例えば、明治や大正の文学作品には駄菓子屋さんが登場しています。みなさんがよく知っている、5千円札の顔である女流作家、樋口一葉(1872-1896)も、かつて浅草で駄菓子屋を営んでいました。
もちろん戦時中は、砂糖の使用が制限され、駄菓子も作られなくなりました。しかし、戦後に砂糖の統制が解除されたことでキャラメルの自由価格での自由販売が始まり、お菓子を作る企業が増え、それによって駄菓子屋さんの数がどんどん増えていったのです。
駄菓子屋さんの減少
しかし、昭和の時代に広まった駄菓子屋さんは、1980年代ごろから減少の一途をたどります。理由としては、
・子供の数の減少
・子供のお菓子に対する嗜好の変化
・コンビニエンスストアの台頭
・後継者不足
かつて、店主のおじいさんやおばあさんが子供たちを迎え入れていた賑やかな空間は、時代の波にもまれていくのです。
しかし、そんな中でも、駄菓子屋さんを懐かしみ愛する人はいるものです。個人商店の駄菓子屋さんは減ったものの、ショッピングモールで駄菓子屋チェーンのお店を見つけたり、駄菓子屋をおつまみとしたバーがあったりするのを、ご存知な方も多いのではないでしょうか。
時代の波に乗ろうと、変わりつつある駄菓子屋さん。これからどんな変化を遂げるのでしょうか。昭和のあたたかな思い出を、少しでも残していきたいですね。
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