フェアトレード(Fair trade)とは、「公平な貿易」という意味。
「公平な貿易」という考えに基づいたフェアトレード製品は、欧米を中心に高い注目を集め、2016年には世界で約9470億円以上の市場になりました。
最近では日本でも、フェアトレードのチョコレートやコーヒーなどを目にする機会が多くなってきていますよね。
フェアトレードときくとなんとなくよさそうだけど、実際にどこがいいのかわからないという方も多くいるのではないでしょうか。
今回は、そんなフェアトレードについてご紹介します。
そもそもフェアトレードとは?
日本には途上国で生産された様々な製品が安価で流通しています。
日本に住む私たちにとって安いことはとても嬉しいことですが、それを生産する途上国では、不当に安い対価しかもらえなかったり、環境が破壊されたりするという問題が起きています。
生産者がものを作り続けるには、労働環境を改善し、自然環境にも配慮した持続可能な取引を行うことが不可欠です。
フェアトレードは、途上国の製品を適正な価格で継続的に購入することで、これらの問題を解決し、途上国と先進国が支え合っていこうとする考えなんです。
とても身近なチョコレートを例にとってみていきます。
チョコレートの原料であるカカオ豆は、西アフリカを中心とした途上国で栽培されています。
ここで問題となるのが、児童労働です。
多くのこどもがカカオ農園での危険な労働を余儀なくされ、学校にもいけないという現状があります。
国際フェアトレード基準では、児童労働を禁止しています。また児童労働の原因となる貧困を解消するためにフェアトレード価格を決めています。
フェアトレードによって生産者が安定した収入を得ることができれば、こどもが働かなくてはいけない状況も変わっていきます。
加えて環境面の基準も厳しく、森林破壊や危険な農薬を使わずに生産されています。
もちろんカカオやコーヒーだけではなく、コットン製品、サッカーボール、花、お茶でもフェアトレードの取り組みが進んでいます。
3種類のフェアトレード
フェアトレードには2つの国際的な認証制度があります。
それが、製品に対するフェアトレード認証である「国際フェアトレード認証ラベル」と、団体に対するフェアトレード認証「WFTO(世界フェアトレード連盟)マーク」です。
日本では、この2つのどちらの認証を受けていなくても、企業や団体が「フェアトレード」として販売している「その他のフェアトレード」もあります。
多くの場合、団体独自のフェアトレード基準に則って、生産者と直接取引をしたり、コミュニティを直接支援したりしています。
普段生活していくうえで、生産者の暮らしまでを考えることはなかなかありません。
しかし、私たちの生活は途上国が抱える様々な問題と切っても切れない関係にあります。
「フェアトレード」のマークが目に入ったときは、それを手にとり、そうした現状を意識する時間にしてみてはいかがでしょうか?
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