“I decide who I am.”
自分が何者かは自分が決める。
-映画『ボヘミアン・ラプソディ』
先々週有給をいただき、口座を持っているすべての銀行を回り切るために1日中駆け回っていました。
帰ってきたのは夕方すぎ。一日の大半が手続きで過ぎてしまったことに気づきます。
一息ついてSNSを開くと『最高裁、夫婦別姓認めず』というニュースが飛び込みました。
結婚による苗字変更の大変さを思い知った直後のことでした。
最初苗字が変わることは、人生になかなかない出来事なので面白いなと思っていました。
画数が旧姓よりも良いらしく(母がわざわざ画数占いの画像を送って教えてくれました)、なんならちょっとうきうきしていたくらい。
でも、実際にひとつめの銀行に行くと「顔写真の証明書がないとこれらでは受理できません」と言われ、区役所へ行って戸籍抄本を取りに行かなければいけないことに。
あれ、わたしを証明するものって何なんだろう。
健康保険証も、住民票も、年金手帳も、全部わたしのものなのに、これだけではあなたがあなただとは証明できないですと言われて、とてもショックでした。
そのあとの銀行でも、通帳はまだ旧姓のままなのに窓口で呼ばれるときは新しい苗字だったりと、自分の存在がゆらゆらと定まらない状況に終始困惑してしまいます。
全部終わったころには「『わたしはわたしだ』と伝えるだけで、何でこんなに大変なんだ」とやるせない気持ちでいっぱいになりました。
苗字を変えることには抵抗がなかったのにもかかわらず、です。
もし旧姓に愛着があって変えたくないと思っていたら、どれほど悲しいことだろうか。ニュースを見て、胸が痛くなりました。
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法学部生だった頃、ある学生の子が何かの講義中にした発言がずっと心に残っています。
「今は夫婦別姓が認められてないですが、もし将来選べるようになったら、これから生まれてくる子たちにとってはそれが当たり前になるんですよ」
最高裁が夫婦別姓を認めなかったというニュースの中には「家族の一体感が失われる」という意見について書かれていました。
だけど、家族をつなぐものは苗字だけではないはずです。きっとそれは、夫婦別姓が実現した後に生まれてくる子どもたちこそ、分かるのではないでしょうか。
わたしの両親は離婚をしています。母は旧姓に戻り、結婚したことでわたし自身兄弟と違う苗字になりました。
でも、家族であることには変わりないんです。それを、当事者が信じることができればいいんだと思います。
さて、今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
梅雨に入ってから毎週のように2週間天気予報を眺めては、晴れマークが並ばないか念を送っています。
今週も楽しいことが見つかる一週間になりますように。
文=ひらいめぐみ
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