


“Everything good, everything magical happens between the months of June and August.”
あらゆる素晴らしいことや神秘的なことは、6月から8月までの間に起こる。
–Jenny Han(ジェニー・ハン)
夏休みのことを思い出すこの季節。何かしらの思い出があってしかるべきなのですが、どうしてか涼しい部屋で本を読んでいたことと、その視界に入る実家のグリーンのソファの色しか鮮明に浮かんできません。
そんなきらきらの学生生活を送ってこなかったわたしにも「夏の魔法」の存在をと思い出させてくれた一冊の本があります。
それは、豊島ミホさんの『檸檬のころ』でした。
豊島さんはあとがきに、高校時代を振り返ると「底辺でした」以外のコメントはしたくない、と書かれています。そのあと、「そういう『地味な人なりの青春』を、いつか書きたいと思っていました」と綴っています。
まぶしく胸を打つ青春をテーマにした作品は世の中に数多くありますが、この本は本当にあくまでも地味な、ふつうの人の、ふつうな日常を描いたもの。
なのに読んだとき胸がぎゅんとしたのは、自分にも心当たりのある感情や記憶が呼び起こされたからなんだと思います。
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毎朝高校にバスで通学していると、ときどき途中のバス停で見かける同じ高校の男の子がいました。
ある程度の距離が離れていたのですが、遠目から見てもあまりにかっこよく、「なぜこんなにかっこいい子がこの田舎の高校に……?!」と混乱しながら盗み見ていました。
最初は遠目から見るだけで十分だと思っていたのに、同じクラスのバスケ部の友人のCちゃんに話したら「絶対見つけるからまかせて」となぜか特定してくれることになり、すぐにA組のNくんだということが判明。
同じ一年生でした。
早く連絡先を聞け、とCちゃんに急かされ、数日後のプールの授業のあと、ようやくA組まで行ってメールアドレスをもらいに行きます。
呼び出してもらったNくんを待つまでの数分は、人生でいちばん緊張した時間かもしれません。
最終的には、友だちだったバスケ部の友人Hくんつながりで、よりNくんとは仲良くなりました。ただ何がきっかけだったか、なぜか一発ギャグをやるキャラとして認知され、ただの仲のいい友だちになりました。
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なんだかんだ高校時代はそれなりに楽しく過ごしていた気がします。一方で、大人になると他の人の話を聞くと「あれ?もしかして高校生活かなり地味だったのでは」と感じるようにもなりました。
それでも、恋愛未満のやわらかい感情や、いくらでも日焼けして平気だった、十代が永遠に思えた時間は、たしかにわたしの青春だったと思います。
そしておとなになっても夏がわくわくするのは、思い出を特別にする魔法がかけられるからなのではないでしょうか。
数年前、初めて間近で花火を見たときの感動は、今でも覚えています。空が映画館のスクリーンみたいだなと思ったことも、音の大きさにびっくりして手持ちのお酒をちょっとこぼしちゃったことも。
今年はどんな夏の魔法をかけられるかな。
暑いのは苦手だけど、ちょっぴり楽しみです。
さて、今回も最後までお読みくださりありがとうございました。高校のことを思い返していたら、地元に帰りたくなってきたなあ。
今日のお昼休みは屋外の人がいないところでめいっぱいマスクを外して深呼吸をしつつ、今年の夏できることを考えようと思います。何しようかな。
文=ひらいめぐみ
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