“Some of us think holding on makes us strong; but sometimes it is letting go.”
しがみつくことで強くなれると考える者もいる。しかし時には手放すことで強くなれるのだ。
-Hermann Karl Hesse(ヘルマン・ヘッセ)
今のような仕事に就く前から、ずっと書くことが好きでした。高校生のときに書いていたブログを友だちが面白いと言って読んでくれていて、おそらくあれが「誰かが楽しんでくれる文章を書くことの喜び」を感じた一番最初の記憶だったように思います。
その後も個人のブログでずっと文章を書いていましたが、自分の文章にコンプレックスを抱いていたため、仕事にしようと考えることはありませんでした。
ただ、書くからにはやっぱり読んでほしいものです。
もっと文章うまくならないといけないなあ。そんな風に漠然と、書き続ける日々が続いていたある日のことでした。
編集者のひとに見てもらったら真っ赤に修正が入って直さなくていいところがないくらいの、自分の心の声をそのまま書き起こしたような文章を書いてみたんです。
正しくないかもしれない表現をたくさん使って、伝わりやすくないけど自分が思ったままの言葉で。
そしたらどうなったかというと、とってもたくさんの方が面白がってくれて、「これはあなたにしか書けない文章だ」と言ってくれました。
そして、それを面白がって広めてくださった方のひとりが、先月おやつスープを一緒に作ってくださった有賀薫さんでした。
自分は半人前だと思っていた書き方の方が、周りの方が楽しんでくださるなんてすごく不思議だったんです。正しくないかもしれない文章が面白いなんてことがあるのか、と。
わたしはずっと、正しいだけの文章に執着しすぎていたのかもしれません。
最近、ある文章についてしばらく悩んでいました。自分の中では書きたいテーマだったのですが、まだ自分の言葉で表現するには咀嚼するのにもう少し時間がかかる気がしていて、自分らしく書けているかどうかについても不安に感じていました。
そのことを編集者の方に伝えたら、こう言ってくださったんです。
「どんな書き方であってもひらいさんらしいと感じるよ」。
これはきっと、わたしだけではなく他の方も同じだと思います。みんなで同じことをしても必ずどこかで違いが出てくるし、その人らしさは宿るものなんですよね。
だからもし、何か頑張りたいことや好きなことで悩むことがあったら、自分で自分のことを制限しているかもしれない「正しさ」や「常識」の考えを手放してみることにヒントがあるかもしれません。
まずは無理にしがみついてしまっていたものを手放してみると、案外気楽にぴょんと飛べたりします。
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さて、今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
中学の頃先生に教えてもらってから、納豆はいつもある程度混ぜた後にたれを入れるようにしています。それが一番おいしい食べ方だ!と言われたことを信用しているのですが、もしかしたらあんまり変わらないんじゃないかとも薄々思っています。どうなんでしょう。
文=ひらいめぐみ
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