


“One can never be truly free, if one admires someone else too much.”
あんまり誰かを崇拝することは、自分の自由を失うことなんだ。
– Snufkin(スナフキン)
小さなことが積み重なって何もかもがうまくいかないと感じていた時期、本屋さんでふとある漫画の背表紙を見つけて立ち止まりました。
以前働いていた書店でおすすめしてもらっていたのに、なぜかずっと読まずにいた漫画。「きっと読んだら面白いだろうな」と予感していても、今はタイミングじゃないかもな、と思うことがあります。その作品も、読むことをあえて先延ばしにしていたうちのひとつでした。
帰りの電車でそわそわしながら座席に座っていると、向かい側に大学生くらいの女の子が座っていました。薄ピンク色の柔らかいレーヨンのようなブラウスをまとい、膝上のチェックのスカートを履いています。髪は胸下まで伸ばし、少し毛先はゆるいパーマがかかっているような、女の子らしい子でした。
その子を見たときに、昔の自分も似たような格好をしていたことを、ふと思い出します。スカートしか履かず、髪を腰の手前まで伸ばしていた、大学生の頃のことでした。
女の子らしい子に憧れて、19歳から21歳までの2年間の辛抱ののちロングへアを手に入れると、そこから少なくとも3年間はスカートしか履きませんでした。それまでの人生がずっとショートヘアで、男の子に間違えることも頻繁にあり、女の子らしい子として接してもらえることはとても新鮮で嬉しい経験だったからです。
「この人になりたい」と具体的に憧れていた人はいませんでしたが、どこからどう見ても女の子らしい女の子になるためには、スカートを履き、ロングヘアを手入れしつづけることだと信じ続けていました。
自分のためではない、誰かのための習慣でした。
大学を卒業してとあるアパレル企業で働いたとき、その習慣が崩れ去るきっかけが訪れます。
それは仲良しの先輩が「オーバーサイズの服が好きだから、メンズで買うこともあるよ」と教えてくれたことでした。
女の子らしい服を着る日もあれば、ハンサムな格好をする日もある。だって、自分がそれを着たいから。
「好きな服を好きなように着られたら、どんなに素敵だろう」と分かっていたのに、なぜか自分に制限をかけていたんです。女の子らしくあるためには、「ウィメンズで買わなければいけない」、「髪を伸ばさないといけない」と。全然そんなことないのに。
「自由」はまるで誰かに与えられるもののように思ってしまいそうになりますが、本当は自分を自由にしてあげられるのって、自分だけなんですよね。
苦しい環境から抜け出したいと思ったときに環境を変えようとするのはとても難しいですが、そこから逃げようとすることはできます。
自分のことを自由にしてあげる勇気さえあれば、きっと理想の枠からはみ出た自分の魅力に気づくことができると思います。
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今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
家に着き、ひと息つく間もなく先ほど買った漫画を一気に読み終えると、ぽろぽろと涙がこぼれていきました。
「女の子らしさ」から解放されてもう何年も経っていましたが、わたしは他の鎖でも自分のことを縛り付けていたことに気づいたのです。
その漫画は、『ダルちゃん』という作品でした。自分を自由にすることが難しくなったら、ぜひ読んでみてください。
文=ひらいめぐみ
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