“Grief can take care of itself, but to get the full value of a joy you must have somebody to divide it with. ”
悲しみは放っておいてもなるようになるが、喜びの価値を最大限に引き出すのには、分かち合う誰かが必要だ。
– Mark Twain(マーク・トゥエイン)
先週は学校って「ひとりでの過ごし方」は教えてくれることがあんまりないよね、ということについて書きました。正直、学校では教わらないような学びこそ大人になってから活きるものが多いなと思っています。
そのひとつが、喜怒哀楽の向き合い方です。悲しみに対しては本であったり、セラピーであったり、何らかの策を講じるための道がいくつかあるように思います。また最近では「アンガーマネジメント」という言葉を耳にする機会が増えていて、「怒り」についての捉え方も変わってきています。「楽」については、きっと苦なく自ら探し出している方がほとんどではないでしょうか。
では、「喜び」について考える機会があるのかと考えたとき、意外とないことに気づきました。楽しみは自分で作り出すことができますが、喜びは自分の内側からよりも外側からの働きかけによって生まれる感情のような気がしています。
『岩波国語辞典第七版新版』で「よろこぶ」を引くと、意味の中に「それをうれしい事だとして受け入れる」という説明がありました。受け入れる、という姿勢はやはり受け身ですよね。
悲しいときは、誰かがいたらすぐに解決するとは限らず、時間だけが癒してくれることもあるかもしれません。
一方で、嬉しい感情は持続させることの方が難しい。
おいしいものを食べたとき。頑張った努力が実ったとき。喜びの大きさは、ひとりだとひとり分です。でも、そこにもし誰か一緒に喜んでくれる人がいたら、その人が喜んでくれている様子を見て、もっと嬉しくなります。
誰かが笑っているとつられて笑ってしまうように、誰かがいるからより嬉しい感情が膨らんでいくものなんじゃないかと思います。
文=ひらいめぐみ
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