“To be yourself in a world that is constantly trying to make you something else is the greatest accomplishment.”
絶えずあなたを何者かに変えようとする世界の中で、自分らしくあり続けること。それがもっとも素晴らしい偉業である。
-Ralph Waldo Emerson (ラルフ・ワルド・エマーソン)
20代前半の頃、お世話になっている先輩にかけていただいたある言葉が、その後の人生の指針になっています。
その当時、高校の同窓会に出たわたしは「変わらないね」と高校の同級生や先生に言われたことで、「卒業してから何年も経っているのに、『変わらないね』と言われていていいんだろうか」と悩んでいました。
もちろん周りの人はネガティブな意味ではなく、どちらかというと嬉しそうに言ってくれたものですから、とても複雑な気持ちです。
そんなとき、前述の先輩は、わたしにこう言いました。「『変わらない』ってことは、『変わり続けている』ってことなんだよね」と。
つまり、本当に変わっていないのだとしたら、「変わったね」と言われていたかもしれないのです。
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もちろん、社会人になったし、髪も伸びたし、着る服も昔と違うし、「変わっていないはずがない」とは分かっていました。
それならば、変わり続けていることが「変わらない」ことであるというのは、どういうことなのか。
先輩は、それ以上の言葉は言いませんでした。
ただおそらく、高校生のときの自分でも常に変化し続けている状況だったはず。変わり続けている自分が「変わらないね」と言われるには、やはり変わり続けていないといけないんですよね。
何者かになろうとするよりも、自分が自分らしくあるために歩みを止めないでいること。それが、どんなに思い描く姿よりも、周りに美しく映る自分なのかもしれません。
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少し前まで悩んだり迷ったりすることは、歩みを止めることだと思っていたけれど、実はこれも変わらない自分を築くために踏み出しているということ。おおいに迷って、躓いて、ときどきへたくそな立ち上がり方をして、それでも他の誰かではない自分をしっかりと受け止めてあげたいものです。
文=ひらいめぐみ
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