“Life isn’t about waiting for the storm to pass, it’s about learning to dance in the rain.”
人生は、嵐が過ぎるのを待つことではなく、雨の中で踊るのを学ぶことが必要である。
–Vivian Green(ヴィヴィアン・グリーン)
疫病が流行してから最初の一年は特に、「不要不急」という言葉で、あらゆるもの・ことに対して制限がかけられました。本屋さんへ行くことも、ライブハウスへ行くことも、映画館へ行くことも、友だちとお茶することも。
わたし自身、2020年はスナックミーではなく商業施設で働いていたので、とても苦しい状況を強いられました。人を集客することで経営を成り立たせる場所にもかかわらず、「来てください」と堂々と言うことができないのです。
とは言え、何ヶ月もすると家にずっとい続けることがいかに苦痛なのか(それが自分で選んでいる場合は平気なのですが、強いられて選択肢がないという状況は本当につらいものです)、周囲の知人も声を漏らし始めていました。
そんな時期に、実は「健康維持のための散歩」なら政府から推奨されていると知り、その商業施設では、半径5mの距離の方に向けて、お散歩がてら遊びに立ち寄りませんか? と呼びかけるようになりました。幸いテイクアウト専門のお店も多く、共用のテラス席を設けているような中庭があったので、偶然にもコロナ禍に適したつくりになっていました。
もちろん休業する、という判断をすることも、お店を開ける、という決断も、どちらが正解というわけではありません。
ただ、施設の中のお店の方がなんとかして外へ出かける楽しみだったり、家では作れないようなおいしいものを食べる喜びを味わってほしい、という思いで試行錯誤をしている様子を見て、とても勇気づけられたのです。
ただこの状況が過ぎ去るまで身を縮めていたら、それはそれでどんどん心がすり減ってしまいます。
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今では衛生管理が見直されたり、ワクチンの接種が進んだりと、最初の一年よりも戸惑いは少なくなりました。
終わりの見えない日々は続いていますが、今回の疫病の流行で学んだのは、何か大きなものに日常を脅かされたとしても、その中で抜け道や、楽しみを見つけようとする心は失くしてはいけないということ。
そして、そのことを今の時代を一緒に生きるわたしたちは、すでにちゃんと身につけていると思っています。長い冬が続きますが、おいしいおやつを食べながら、どんと構えて過ごしてやりましょう。
文=ひらいめぐみ
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