2022.02.28

月曜日の朝に、言葉をひとさじ。|2月28日の朝

snaq me

“Love is doing small things with great love.”

愛とは、大きな愛をもって、小さなことを行うことです。

Mother Teresa(マザー・テレサ)


先日久しぶりに電車に乗ったら、途中の駅で、お子さん連れの家族と思しき3人が乗車しました。自分の席から遠かったので様子を伺っていたのですが、そのご家族の目の前に座っていた方がさっと席を移動し、3人全員が横並びで座れる状態にしてあげていました。

次の駅に停車すると、今度は向かいの席側から5人組くらいの小学生の男の子たちが乗り込みます。すると、真ん中にいた方が、端にずれて席を譲っているのをふたたび目撃しました。

電車の中ではよくあるシーンかもしれません。わたし自身、ズレた方が目の前のふたりが座れるな、と横の席に移動したり、逆に譲っていただいたことも何度もあります。だけど、一日に2回もそのシーンに立ち会ったのは人生で初めてだったので、なんだか心があたたかくなってジーンとしたのでした。

「愛」という単語は辞書にはありますが、普段のわたしたちはそれを意識する、あるいは言葉にする、ということがあまりないかもしれません。

「他者への愛」について考えてみようとすると、なんだか難しいことのような気がしてしまいます。家族や友人を気遣うことはできても、まったくの赤の他人に愛を向けるとなると、具体的なイメージは持ちづらいのではないでしょうか。

先週、胸を痛めるニュースが飛び込んできました。自国にとっても他人事ではないこと、こうやって日々自分のいる場所から離れた場所で、当たり前じゃない当たり前の中を生きているひとがいることを考えると、きちんと知ることと向き合う必要があると感じています。ただ、情報だけを浴びていると、心がしんどくなってしまったり、やるせない気持ちでいっぱいになってしまいます。現に、これを読みながら今苦しい胸中で過ごしている方もいらっしゃるかもしれません。

「愛とは、大きな愛をもって、小さなことを行うこと」。これが、わたしにはひとつの答えだと思いました。

無関心でいるのではなく、知ろうとすること。自分にとって無理のない額の募金や寄付をすること。目の前の人に対して、親切に接すること。

誰もが、大きな愛をもってささやかな行いをしていれば、きっと世の中はよくなっていく。そう信じています。

明日から3月ですね。疫病の流行も依然として続いていますし、心がざわざわして落ち着かない日々が続きますが、自分がしあわせに、すこやかに過ごせていることに、どうか罪悪感を抱かずに過ごせるよう願っています。しあわせは、誰かのしあわせを呼び込むことはできても、悪を助長する力は持っていないのですから。何かちょっと笑みがほころぶようなことが、ひとつでもある一週間になりますように。

文=ひらいめぐみ


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