


今週は、「おやつ」の概念に新たな風を吹かせる新カテゴリーが登場します。
そのまま食べてもおいしいけれど、もっと色々遊んでもいいんじゃない?!ということで、スープ作家の有賀薫さんと一緒に、おやつスープを作りました。
今回お届けするのはスープとおやつがセットになったものですが、実際に有賀さんのレシピで作ることもできますので、自分で作ってみたい!と思われた方はこちらの記事もぜひ合わせてご覧ください。
企画するにあたって、実際に有賀さんのご自宅にお邪魔し、開発の経緯から有賀さんのおやつエピソードまでお話いただきました。
—
おやつスープってありかも!
おやつを忙しい日の一食分のごはんとして食べる方は、きっといるはず。
スナックミーからおやつスープのご提案をしたとき、有賀さんご自身も以前から「おやつスープ」が頭の中にあったそう。
「実はおやつスープで本作りたいなってちょっと思ってたんですよ。だからおやつをスープに入れたいっていう話はものすごくいいなって、とても嬉しかったです。
『おやつとスープ』というよりは、『おやつとしてスープを食べる』ですね。
ちょっとお昼の時間を外してしまったな、というときや、今お腹いっぱい食べちゃうと夜にさわるな、というときってありますよね。
ちょっと軽く何か食べたいと思うときには、おやつだけでなくスープも取り入れることで、野菜もとれるし、罪悪感もないので」

今回のかぼちゃのスープのように、スナックミーで春に販売したさつまいものポタージュも甘いスープでした。
「意外に甘いスープって結構あるんです。フルーツのポタージュを作ったりもしますし、私の発想からすると、あずきのぜんざいもスープなんですよ(笑)
だから、もう少し気軽にスープを楽しいんでほしいなって」
食事としてのスープを思い浮かべるとハードルが高いイメージを持ってしまいますが、「スープ」という直接的な名称がついていないだけで、お味噌汁やお茶漬けなど、実は身近な食べもの中にたくさんあります。
おやつスープを開発するにあたり、色々な定期商品と合わせながら一緒にお届けするものを選んでいきました。
まず一番最初に有賀さんがおいしい!とおっしゃったのは「幸せのりすのしっぽ」。
さくさくした食感はまるでバゲットで掬って食べているようで、バターのコクも相性抜群。

あられっこ玄米揚げは、塩味がいいアクセントに。さつまいもチップスは、かぼちゃと根菜同士だったのでうまく馴染んでいました。
「かぼちゃのスープ」を選んだのは、色々なおやつに合わせやすいからなんだそう。
「あと、みんなかぼちゃ大好きだからね(笑)」とおっしゃっていて、たしかに!と納得しました。

料理の始まりは、自分で色々試して新しいおいしさに気づくこと
「定期便で届いたおやつの中のどれかを入れてみて自分で試してみるのもいいと思います」と有賀さんがおっしゃるのは、偶然おいしさを発見する楽しさを味わってほしいから。
「『合わなかった』と気づけることも面白いですから。自分で味を工夫したり、組み合わせることによって、『あ、この味とこの味は合うんだ』『あ、じゃあこれは違ったな』と自分で実験しながら見つける楽しさも体験してほしいんです」
スープを作りながらそんなお話をしている中で、実際に「青のりはどうだろう?」とご提案したところ「やってみよう!」と目の前でさまざまなトッピングを試してみることになります。

「おせんべいや海苔も良さそうですね。和の方にいくんだったらちょっとお醤油を垂らしてみたり。あとかぼちゃは紅茶も相性がいいんですよ。今日はコーヒー豆でやってみましょうか」
そう言って目の前でコーヒー豆を器の底でざりざりと砕く有賀さん。すり鉢をわざわざ出さなくても、あっという間におしゃれなアクセントに。インスタントコーヒーでも大丈夫です。

あられっこ玄米揚げには青のり、幸せのりすのしっぽにはすりつぶしたコーヒー豆、さつまいもチップスにはごまを。
その場であっというまにできた3つのアレンジを味わうと、だんだん楽しくなってきます。
「料理の始まりってこういうことなんですよね。この味とこの味が合うかな、と試してみて、『意外とコーヒーが合う!』と気づいたとき、喜びが生まれるじゃないですか。
それが料理の楽しさだと思うんです。
工程だけのことを考えると、切ったり煮たりしなきゃいけないから料理って大変、と思ってしまいますが、楽しさが先にあると意外と何でもなくなっちゃうものだから」

誰かの「おいしい」が嬉しいよね
こんなふうに有賀さんと一緒にキッチンに立っていると、肩の力を抜いて自由に料理が作れるのはなぜだろう?と思い、今の料理に対する価値観がどのように形成されていったかお聞きしてみることに。
真っ先に有賀さんの頭に思い浮かんだのは、子どもの頃にぎやかに過ごした家族との食事の時間だったようで……。
「家族がみんな食べることがすきで、父も母も兄弟も親戚も集まって、わーっとやることが多かったんです。そこに友達も加わって、毎日玄関にはいっぱい靴が並んでいるような家で(笑)

ちょっと変わった家で、兄弟六人が集合住宅みたいに一緒に住んでたので、何かにつけては宴会をしていたんですよ。
毎回料理を持ち寄りにしていたので、母も作るのが嫌になってしまって。そこで私も何か作るために駆り出され、色々作るようになりました。
パーティ料理なので、お菓子を焼いたり、ピザを作ったり。楽しむ料理みたいなところからスタートしたんですよね。
そこでみんながおいしい、って言ってくれたことで料理が好きになっていきました」
ただ、今のようにさまざまなものを組み合わせるようになったのはスープを作り始めてから。
毎日作るスープがマンネリ化しているなと思ったとき、こうやってトッピングを加えたら味が全然違うな、と少しずつ新しい発見をしていくと楽しくなっていったのだと言います。

また、有賀さんのレシピには、基本がありつつ「こうやってもいいですよ」と簡単な道を用意してくれています。
「私のレシピって、骨組みみたいな料理なんです。インテリアでも、壁の色とか屋根の色とかって、みんな自分で考えたいじゃないですか。
だけど骨組みはやっぱりしっかりしている方がいいから、野菜の扱い方とか煮方とかはお伝えして、あとはやってね!ってなってるんですよ(笑)

レシピとしてはもしかしたら完成されたものじゃないかもしれないけど、おうちでやるときに冷蔵庫の中身や、家族の好き嫌いに合わせられる余白は残しておきたいな、と。
自分の好みや価値観を最優先させられるのがおうちのごはんのいいところだと思います」

料理って本当は、いつもと違うことをしてちょっとはみ出してみたり、すきなものとすきなものを試しに組み合わせてみたり、作る過程でこそ遊びができるもの。
おやつとスープって合うの?とちょっと疑う気持ちを持った方こそ、「これってありかも!」と驚きが大きくて楽しめるんじゃないかなと思います。
おやつスープはもちろんですが、ご家庭にあるものや他のおやつでいろいろなアレンジを試して、ぜひお気に入りの組み合わせを発見してみてください。
いつものおやつ時間が、もっと楽しく、好奇心で満たされますように。
-profile-
有賀薫(ありが・かおる)さん
スープ作家。家族の朝食に毎日スープを作り始めたのをきっかけに、2011年から約9年半、約3000日以上のスープ作りをSNSで発信。シンプルでおいしいスープレシピを、雑誌、ウェブ、テレビなどで発信。著書に『スープ・レッスン1・2』(プレジデント社)『スープかけごはんでいいんじゃない?』(ライツ社)など。『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス)で、2020年料理レシピ本大賞入賞。最新刊は『豚汁レボリューション』(家の光協会)
Twitter @kaorun6
Instagram arigakaoru
note: https://note.com/kaorun
【販売期間】8/25(水)20:00〜なくなり次第終了
※8/25分が完売した場合は再販を行う予定です。
会員価格1,680:円(税込)/非会員価格:1,880円(税込)